今年は8540組の頂点を決めるお笑い賞レースとなったM-1グランプリ。お笑い好きの私が僭越ながら、競馬の印のように◎◯▲で各コンビを評価しつつ、感想を述べていきたいと思う。あと出ている順位は、そのときの暫定のもの。
令和ロマン◎
「女子と男子が曲がり角でぶつかるベタなシチュエーションを真剣に考えてみる」というネタ。つかみは向かって左にいるケムリのモミアゲをいじって笑いを取り、そこから本ネタへ繋げ、最後まで盛り下がることなくウケ続けた話術は相当なもの。タックスヘイブン、新しい学校のリーダーズなど、近年のトレンドを押さえて笑いを取るスタンスも素晴らしかった。
シシガシラ◯(敗者復活組)
「昨今は女性を差別しないような言葉使いをしないといけなくなったが、ハゲだけオッケーなのはおかしい」というネタ。確かにその通りだな、と思ったし、ネタも面白かったけれど、ハゲ一辺倒のネタなので、後半は少し盛り下がっていた。
さや香◯
「ホームステイに来る外国人と暮らしたくないから外国に飛ぼうとする相方を止める」というネタ。面白い設定だし、やり取りも面白かったのだが、向かって左にいる新山の怒ってる感じがキレすぎていて、少し引いてしまった。松本人志が89点をつけているのは令和ロマンの面白さを超えていないからとのこと。
カベポスター◯
「校長の不倫写真を使ってゆする」というネタ。ゆすると言っても「おまじない」という形式でゆすっているのがシュールで面白かった。最後、噛んでいるのも個人的には面白かったが、賞レースとしてはマイナス。
マユリカ▲
「倦怠期の夫婦」というコント風の漫才。演技力も高く、客にもかなりウケていたが、個人的にはあまり刺さらなかった。「浴槽でおでんを作る」というボケは面白かったけれど……。
「大家さんが変な人だったら」というコント風の漫才。手数も多く、テンポも良く、ボケも洗練されていて、万人受けするような構成で素晴らしかった。
「映画館ではなく、B画館やC画館に行きたい」というシュールなネタ。途中に出る「エンジンのスマホ」から「検索エンジン」で調べる流れなど、センスのあるボケも良かった。全体的にボケの精度が高く、個人的には1本目のネタでは1番面白かった。
「カラオケの曲を口だけでする」というネタ。曲を知っていれば、それなりに面白いかもしれないが、さすがに漫才としてのやり取りが少ないので、微妙な内容と言わざるを得ない。
くらげ◯
サーティワンのアイスや、サンリオのキャラクターが分からないというフリから、名前を列挙していくというネタ。女子ウケを狙ったネタだと思われるが、けっこう面白かった。観やすいけれど、もう少し展開に工夫があった方が良かったかもしれない。
錦野旦の「空に太陽がある限り」を歌って、途中で疑ってくる女性を言葉で説得させるというネタ。それなりに面白いが、後半で盛り下がっている感じが否めない。構成もシンプルすぎる。
といった感じで、感想を述べていったが、全体的に面白かったと思う。話は変わるが、私はYouTubeでエムワンを優勝したコンビのラップ曲を毎年作っている。令和ロマンの曲も作ったので、そちらも観ていただけると嬉しい限りだ。
【令和ロマン】音源化してみた