お笑いというのは社会的にあまり評価されない職業だ。一般的な職業より上手くいかないリスクが高く、非常に難易度の高い職業である。お笑い芸人が特に求められる技術は、独創性と反抗性だと私は思っている。
海外では面白い研究結果がある。長男と末っ子では統計上リスクを恐れる確率がかなり違うというものだ。長男よりも末っ子の方が反抗的でリスクを恐れない傾向がある。さらにお笑い芸人を調査したところ、その多くは末っ子ということも分かっている。お笑い芸人は、人々の予想を裏切るために、計算づくでリスクを冒さなくてはならない。観客が気分を悪くして、引いてしまわないようにするためには、客観性や創造性も必要だ。そもそもお笑い芸人になることじたい、先の見える安定した人生を諦める勇気もなければならない。リスクを恐れないスリリングな選択である。
多くのお笑い芸人がいるなかで、私がひときわ注目したのがランジャタイだ。初めてネタを観たのは2017年ごろだったが、かなりの衝撃を受けたのと同時に、彼らが一般的に評価されることはないだろうとも思った。
しかし、ランジャタイは2021年にM-1グランプリの決勝に進出してしまったのである! お笑い好きの私にとって、これはとんでもないことがお笑い界に起きていると感じた。
私は心が震えるほど感動し「この想いをなんとか形にしたい」そう思い、ランジャタイのラップ曲を制作した。
第1弾は、伊藤が初体験で性病に感染したことや、お金が無さすぎてトイレの水を飲んだエピソードなどを歌詞にした。
ランジャタイ【M-1グランプリ2021】ラップ
https://youtu.be/80_y0LJRAMw
第2弾は、ランジャタイのファンアートを使ってラップ曲を制作した。
ランジャタイ【ファンアート】ラップ
https://youtu.be/WXQfHIze4G8
そして第3弾は、ランジャタイの伊藤が松本人志と同じ笑いの感覚を持っていることや、ファンの結婚式でスベりすぎてマネージャーを怒らせ「アナタたちはシニナサイ」と言われたときのことをラップにした。
ランジャタイ【M-1グランプリ2022】ラップ
ランジャタイは芸歴15年目なので、今年が最後のM-1グランプリとなる。決勝進出できるかどうかすら分からないが、彼らが有終の美を飾ることを私は願っている。